計算ミスを減らす方法 ~途中式を丁寧に書いてもミスは減らない?~
この記事では、中学受験生の永遠のテーマである「計算ミスを減らす方法」をお伝えします。

結論、以下の3ステップで練習していくことです。

  1. 解き方を理解する
  2. 処理スピード & 暗算力を上げる
  3. ミスをしないメモの量を見極める

通常、中学受験塾では1までしか教えません。
そして、その後は計算問題集を渡して宿題チェックして終わりです。
※ 単元指導もあるので、計算指導の時間が取れないのが現実

そして、よく言われるのは
「後から見直せるように、途中式を丁寧にかきましょう。」
です。
これは一見ミスを減らすのに正しそうに聞こえますが、実は根本的な解決にはつながりません。
その理由を答案を元にしながら説明します。



途中計算を頑張って計算ミスをした答案

まずは、途中計算を頑張って書いて計算を解いてる答案です。
途中計算を頑張って計算ミスをした答案


1問ミスをしています。
どこでミスをしているか探せるでしょうか? (ミスの箇所は、記事の最後に)
メモが多い中でミスの箇所を見つけるのは、難しいですね。
これでは、試験中に見直しをすることはできないでしょう。
恐らく、このまま意識をせずに練習を続けても最終的に正答率は80%くらいではないかと思います。

計算スペースとメモスペースを分けた答案

では、次は、中学受験塾で一般的に指導されている方法を再現した答案です。
## 計算スペースとメモスペースを分けた答案


計算の順番を書き、計算結果を左にメモをしながら、右側は計算スペースにして計算をしています。

この解き方で、先ほどよりミスは減ると思います。
ただ、この答案も試験中に見直しをするのは厳しいかと思います。
丁寧に解いていくしかないです。
正答率は90%くらいでしょうか。


暗算力を活かしたスピード重視の答案

次は、暗算力を活かしたスピード重視の答案です。計算くらぶのガチ計算で日々添削させていただいてるお子様の中には、これくらいの答案の方もいます。
暗算力を活かしたスピード重視の答案


2分15秒、一見かなり危ない感じに見えます。
しかし、暗算で処理できる部分は確実に処理して、スピード感を持って解き進めています。
例えば、(2)は、 1-5/6=1/6、1/6×3 = 1/2
を一息で計算し、メモした後、
0.8 - 3/4 = 0.8 − 0.75 = 0.05
と計算。
÷0.05 = ÷1/20なので、 1/2×20 = 10
とメモして計算しています。10秒くらいで計算を終えます。
感覚として正答率90%くらいでしょうか。
先ほどと同じくらいの正答率だと思いますが、速く解けてます。
ここまでスピードまで鍛えることができたら、次の解き方が可能です。

暗算力を活かした正確性重視の答案

先ほどの答案だと記述量が少ないのと、ほぼ暗算で解く力もありますので見直すのも容易です。
先ほどのスピードと暗算力を持ったお子様が、見直しをしながらミスを減らす意識で解くと以下のようになります。

暗算力を活かした正確性重視の答案


ちょっと分母が大きい通分になりそうな(1)は、慎重に解いて、後はさっきの解き方と大体同じように見えます。
が、実はこの答案では見直しをしながら解いています。一度解いたメモを目で追いながら、さっと間違いがないかを見ています。
こうすると、正答率は、99%となります。
(間違える確率10%で2回解くので、2回連続で間違える確率: 0.1×0.1 = 0.01 = 1% として計算)

まとめ

まずは解き方を正しく理解することです。
正しい解き方を理解する前にスピードを鍛えても変な癖がついてしまいます。

次に、スピード & 暗算力を徹底的に鍛えることです。
計算力の土台プリントで、基準タイムをクリアしましょう。
できるだけメモを少なくすることも意識して解きましょう。

最後に、暗算力を鍛えた後に、メモを少なくする練習をしましょう。
これは、意識的に鍛えないと難しいです。
一定期間、スピードや正答率を置いといて、メモを減らす意識を持って計算をしてみましょう。
問題を解いた後、たとえ正解していても、より良い解き方がなかったから考える習慣をつけましょう。工夫の計算は、必ず解き直しをしましょう。

※1枚目の答案のミスは、1/3-0.3を右側で、 1/3+0.3と、+と-を間違えて計算しているところです。


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