~中学受験特化!~計算力を鍛えるロードマップ (仕上げ編)
こんにちは。
ドリる算数を開発・「計算くらぶ」を運営している「ドリさん」です。
私は昨年1年間で、偏差値40~70の様々な受験生の毎日の計算を入試直前まで添削しました。
その経験から、計算力を強化する方法をお伝えいたします。

この記事は、前回の~中学受験特化~計算力を鍛えるロードマップ(基本姿勢編)の続きである、仕上げ編です。
計算の順番や、計算メモの整え方、工夫の大事さを学び終えた方は、いよいよ「仕上げ」に入ります。
仕上げ方を以下の順にお伝えいたします。

  • スピード重視か正確性重視かを決めて解く
  • 解き直しの方法
  • 検算の方法
  • まとめ


スピード重視か正確性重視かを決めて解く

まず初めに、ハッキリ言っておきたいことがあります。
よく言われがちな「毎日丁寧に計算練習をしましょう。」は、現実には難しいです。
(毎日落ち着いた環境で取り組めるとは限らないですよね。)
また、やるべきではありません。

なぜなら、丁寧に解く練習では計算スピードが身につかないからです。 
時間制限の厳しい算数の入試においては、計算スピードを身につけ、検算をする時間を確保することが重要です。
スピードを上げる練習と、丁寧に解く練習を両方バランスよく取り入れましょう。

では、具体的にどうするかというと
「スピード重視の日」・「正確性重視の日」に分けるのです。
それぞれの目的をこのように設定し、バランスよく組み合わせて日々の計算練習を続けていきましょう。

スピード重視の日
計算スピード・メモの技術を磨く日。タイムを測り、できるだけ速く解くことを意識し、検算はしなくても良い。
計算の工夫ができないか、メモを少なくできないか、を振り返る。ミスは必要以上に気にしない。

※ 検算をしなくても良いですが、満点をとるつもりで取り組みましょう。
・わからない問題が出てきたら、じっくり取り組む。
・答えの数字が明らかにおかしくなったら、間違いがないか見直す。
など。


正確性重視の日
入試本番を想定し、見直し・検算をして解く。タイムよりもミスをしないことを目標に解く。ミスした原因を振り返り、次回に活かす。スピード重視の時と比べて、1.5~2倍くらいの時間がかかっても良い。


どのくらいの割合で取り組むかは、お子様の計算力・学習リズムによってて調整しましょう。
以下を目安としてお考えください。
  • 6年生の夏休みまで 
    • 正確性重視 : スピード練習 = 2日 : 5日
  • 秋以降の入試直前期 
    • 正確性重視 : スピード練習 = 3日 : 4日
  • 入試1ヶ月前など 
    • 正確性重視 : スピード練習 = 5日 : 2日
等、頻度を調整していきましょう。


解き直しの方法

続いては解き直しの方法についてお伝えします。
普段、計算問題を解いて間違い直しをする時に、
・答えを赤字で書いて終わり。
・なんとなく解き直して終わり。
となっていませんか?

「答えを赤字で書いて終わり。」は論外ですが、計算問題の解き直しの際に、何を意識すれば良いか考えたことのない方も多いかもしれません。

そこで、2通りの解き直しの方法とその目的をお伝えします。


1. 新しい問題用紙に解き直す

まずは、「新しい問題用紙に解き直す」方法です。
解き直し用の新しい問題用紙を用意し、最初から解き直しましょう。
目的は、「見直しやすい・ミスをしにくいメモを目指すこと」です。
そのため、メモの位置などに注意して解き直しましょう。

下の図のように、メモが多くて、どこで間違えたか分かりにくい場合は、
メモを改善する解き直しをしましょう。



2. 間違えた箇所を見つける

次は、「間違えた箇所を見つける」解き直しの方法です。
解いた後に、自分の計算の中でどこが間違えているのか見つけてみましょう。
目的は、「自分の間違いの傾向を知り、見直し力をつけること」です。
メモがうまく書けている場合は、こちらの方法で直しをしましょう。


もちろん、「間違えた箇所を探す」と、「新しい問題用紙に解き直す」の両方をしても構いません。
上記の計算メモを改善するとしたら、このような計算跡になるかと思います。

9/4×0.24 = 9×0.06 = 0.54
8×(0.8 −1/8) = 8×0.8 − 8×1/8 = 6.4 − 1 = 5.4
5.4÷10.8 = 54/108 =1/2 = 0.5
0.54 − 0.5 = 0.04
と解けますね。
間違い探しの後に、もっと良い計算メモ・工夫を追求する。


以上、解き直しの方法でした。
解き直しこそが計算力向上に大事なことです。
目的を持って解き直しをしましょう!


検算の方法

次は、検算の方法についてお伝えします。
入試本番では、計算問題は必ず正解したいですよね。そのためには、検算は必要不可欠です。
「正確性重視で解く日」の計算練習は、入試本番の気持ちで検算・見直しをしましょう。

では、具体的に検算の方法をお伝えします。


四則混合計算の場合の検算

四則混合計算の場合は、解いて答えを出した後、式の1つの数字を□と考えて、逆算で□求めるように計算を戻していきます。下の画像をご覧ください。(分かりやすくするため、検算部分を赤字で書いています。)
最後に、元の数になることを確かめたら、正解はほぼ間違いなしです。

四則混合計算の検算。答えを出した後、逆算して確かめる。


逆算の場合の検算

続いて、逆算の検算です。
これは、先ほどとは逆です。答えが出たら、□の中に答えを当てはめて、計算し、1.8になるか確かめます。
(下の画像をご覧ください。)
これも、検算して答えが1.8になったらほぼ正解しているはずです。
あとは、解答用紙に答えを書き間違えないようにするだけですね。

□に答えを当てはめて計算をする。



以上検算の方法でした。
「検算をする」というのは、スピード重視で解くときと比べて、1.5倍 ~ 2倍の時間がかります。
なので、計算スピードをつけてから練習するようにしましょう。
また、全部検算するのが大変な計算問題もあります。
そういうときは、「途中まで検算する」「自信がないものだけ検算する」などでも十分検算の効果があります。



まとめ

  • スピード重視か正確性中しかを決めて解く
    • 「毎日丁寧に...」ではなく、「スピード重視の日」「正確性重視の日」を分けて取り組みましょう。
    • 入試が近づくにつれて、正確性重視の日を増やしていきましょう。
  • 解き直しの方法は、2種類
    • 計算メモを改善したい場合は、新しい問題用紙に解き直す。
    • 計算メモの改善点がない場合は、「間違いの傾向を把握したり、見直し力をつけるため」に、自分の間違えた箇所を見つける練習をしましょう。
  • 検算の方法
    • 四則混合計算の場合は、逆算をして検算をし、逆算の場合は、□に答えを当てはめて計算をしましょう。
    • 検算が大変な場合は、途中までの検算でも構いません。うまく調整しましょう。
    • 計算スピードがないと検算は大変です。計算スピードに課題がある場合は、計算スピードをつけることを優先しましょう。

以上です!
ぜひ、入試に向けて「本番で絶対にミスをしない計算力」を身につけましょう。



【お知らせ】
「計算くらぶ」では、現在のお子様の取り組みに対して、計算力をどこから鍛えて行けば良いか、を具体的かつ継続的にコメント・アドバイスをしております。 また、現在、試験的に塾やご家庭での算数の学習の取り組みに対してもアドバイスをしております。受験算数の学習に悩みがある方はぜひご入会ください!

(2024年4月18日追記)
次の記事で計算くらぶの教材と、取り組む順番をお伝えしています。
~中学受験特化!~計算力を鍛えるロードマップ (教材編)

計算くらぶのご案内
中学受験の計算力を鍛える専門のチャット型オンライン塾です。
取り組み詳細はこちら: 計算くらぶとは?
お申し込みはこちら↓
計算くらぶ
他の最新記事記事一覧